婚給付等契約公正証書のメリット
離婚に際して合意した事項を公正証書にすることには、次のようなメリットがあります。
- 公正証書は、公証人が公正中立の立場で、当事者から離婚に関する合意内容等を聴き取った上、法律に関する知識・経験に基づいて、必要な説明や助言等をして、法律的に不備等がなく、当事者の正当な権利の実現に支障が生じないような内容で作成します。
- 公正証書は、公証人が公正中立の立場で、当事者双方の本人確認を確実な方法で行った上、それぞれの意思を原則として直接、慎重に確認し、その内容が当事者双方の意思に合致することを確認した上で作成します。
そのため、公正証書は、当事者間で作成する私文書に比べて、信用性、証拠力が高く、後になって当事者がそのような合意はしていないなどと主張して、その効力を争うことは極めて困難です。
- 養育費、金銭の財産分与、慰謝料など、金銭の支払いを内容とする条項については、その支払いが定められたとおりになされない場合には、公正証書に基づいて強制執行(公権力の行使として、債務者の財産を差し押さえ、換価して支払いに充てる手続)をする効力(執行力)が認められています。
- 年金分割についての合意内容を記載した当該公正証書の謄本を年金事務所に提出することにより、当事者の一方だけで年金分割の請求ができます。
なお、この請求に当たっては、公正証書の謄本に代えて、当事者間で作成し、公証人の認証を受けた合意書を提出する方法も認められています。